[恒星物理学] Polytrope球の性質、半径と質量

ポリトロープガス球の半径はレーン・エムデン式の(*6)式より

…(*1)

で与えられ、質量()は

…(*2)

のように表されます。n=5のポリトロープに対してはで半径が無限大となりますが、は有限値を持つため、質量は有限となります。言い換えると、n=5のポリトロープは中心集中度が無限大の、有限な質量を持つガス球です。nが5よりも大きい場合には質量も発散します。

主系列星などの理想気体に近いガスからなる星の近似的な構造としてポリトロープ球を考える場合、Kは構造によって決まる量となりますので、ある質量に対して色々な半径を持つことができます(これは温度分布の不定性に対応します)。逆に言えば、ある質量と半径を与えるとKが決まります。

それに対して、白色矮星のように電子の縮退圧で支えられている場合()、圧力は密度だけに依存し、Kは物理定数で決まる量となっています。この場合、(星の構造に温度分布は無関係なので)星の質量に対して、半径が一意的に決まります。例えば、非相対論的に縮退している場合、完全に縮退した状態の電子ガスより

で与えられ、n=1.5のポリトロープの関係となっています。この場合、とするとKはcgs単位でとなります。このことを使うと白色矮星の質量と半径の関係を得ることができます。(*1)と(*2)式からを消去すると

が得られます。この式にn=1.5とこのポリトロープ球に対すると上のKの値を入れると

が得られます。この式は白色矮星の半径がに比例し(質量が大きいほど半径が小さい)、白色矮星の典型的な質量に対してその半径が太陽半径の100分の1程度であることを表しています。

相対論的極限の縮退の場合は、やはり完全に縮退した状態の電子ガスより

で、これはn=3のポリトロープとなっています。このときに対してKはcgs単位でという値を持ちます。(*2)式をn=3に適用すると、質量は中心密度に依存せず、ある一定値

となります。この質量が白色矮星の質量に対するチャンドラセカール限界です(詳細な計算はリンク先を参照してください)。(*2)式にを入れてみると

という関係が導かれ、白色矮星の質量がチャンドラセカール限界に近くにつれて、中心密度が限りなく大きくなっていくことがわかります。

(理想気体が適用される主系列星に対してもn=3のポリトロープが使われることがあります。しかし、このときはKの値は、物理定数でないことに注意する必要があります。ある質量に対して(*2)式、すなわちKの値が求まり、(*1)式によって中心密度と半径の関係が決まります。つまりこの場合は限界質量は存在しません。)

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