[恒星物理学] 番外編、s-process

Feより重たい元素を作るには。

Feまでの元素合成は恒星内部での核融合で説明がつきました。ではそれより重たい元素を作るにはどのような物理過程が必要でしょうか。今回は数千年かけて中性子を吸わせて起こるs過程(s-process, slow-process)という物理過程をご紹介いたします。

この過程は主に2つの星で起こるとされています。

1, 中小質量星(星の初期質量)の進化段階である漸近巨星分枝星(AGB)内部です。特に、温度がK程度で起こるinterpulse phaseか、thermal pulse phaseでこの反応が起こるとされています。

2, 大質量星(星の初期質量)のcore He burning以降の進化段階で起こります。特に、温度がK程度で起こるとされています。

どちらの反応も主な中性子供給源は

の2つの反応です。重たい原子がこの中性子を捕獲し、β崩壊を起こすことによって様々な元素が生み出されていきます。中性子の吸収時間>β崩壊を起こす時間の場合、つまりβ崩壊の方が素早く起こる場合に、このs過程は起こります。ここではFeの中性子捕獲から始まって、Zrまでの進化を図にしてみました。

この反応過程によって、Biまでの元素を作ることができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Captcha loading...