[恒星物理学] 番外編、重元素合成

pp-chain

太陽質量程度の恒星の中心部で起こる水素燃焼です。pp-chain反応にはpp-I, pp-II, pp-IIIの3つのchain反応がありますが、どのchainにおいてもProton-Proton反応

から始まります。この反応は、2つの陽子が遭遇した瞬間に、一つの陽子が陽電子崩壊をして重水素となることによって起こります。これは非常に稀にしか起こらない反応なので、pp-chain反応の速さはProton-Proton反応率によって決まっています。

 

CNO-cycles

太陽質量よりも重い、大中質量程度の恒星の中心部で起こる水素燃焼です。陽子が炭素、窒素、酸素の原子核に次々に捕獲されて、4個の水素が捕獲された時に一つのヘリウム原子核が生成されて、重元素原子核は元に戻るというサイクルになっています。つまりCNO原子核は触媒の働きをするのです(ただし、CNO全体の含有量は変化しませんが、個々の元素の含有量は変化します)。

の陽子捕獲反応では、ができる反応の他に、それに対しての頻度でができる反応が起こります(②)。

 CNO-cycles中の反応では①の反応がもっとも遅く起こります。そのため、この反応率がCNO-cyclesの回る速さを決めています。このサイクルが平衡状態になった段階では、最初にあったCNO元素のほとんどがNになります。

 

He燃焼

トリプルアルファ反応と呼ばれる、3個のアルファ粒子(ヘリウム)から炭素原子核に融合する反応がおきます。

さらに加えて炭素とヘリウムがくっついて酸素、そしてさらにネオンまでが作られます。

 

炭素、ネオン、酸素燃焼など

ヘリウムの燃焼が終わった後、炭素やネオン、酸素、シリコンの燃焼が起こります。これらの融合反応は非常に高温どで起こります。

炭素燃焼は0.5-1.0Kの高温になると起こります。炭素燃焼では

の反応が起こり、ここで生成された陽子は

の反応で使われます。またアルファ粒子の方は

…(*1)

などに使われます。さらに温度が高いと、

が起こります。最終的にO, Ne, Mg, そして少量のSiができます。

ネオン燃焼は1.5K以上になると起こります。エネルギーの高い光子がネオン原子核を壊す反応

がその逆反応(*1)よりも速く起こるようになります。ここで生成されたヘリウムが

により使われます。この2つの反応を合わせて

となり、ネオンが酸素とマグネシウムになってエネルギーを発生させるネオン燃焼が起こります。

次にKの温度に達すると、酸素燃焼が起こります。そこでは

などの反応が起こり、それらの生成物によってさらに種々の反応が起こります。

 

シリコン燃焼

温度がKになると、が光子に破壊されて、n, p, α粒子を放出し、そこから非常に多くの種類の核反応が起こります。そこでは結合エネルギーの低い原子核ほどたくさん存在するような、統計的平衡状態に近い状態となり、最も安定な原子核であるが最も多く存在できるようになります。

最終的にはNiがベータプラス崩壊を起こしてCoに、Coがさらにベータプラス崩壊を起こしてFeになります。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Captcha loading...