[恒星物理学] 前主系列段階 (Pre-main-sequence stage)

Pre-main-sequence starsのHR図上の分布には左上から右下に走る境界があり、それよりも明るくて表面温度の低い星は存在しないことが知られています。その境界線は星の誕生線(Birthline)と呼ばれています。原始星へのaccretionがいつ止まるかはわかっていませんが、誕生線は以下のようなモデルで再現されています。質量降着率が一定で、質量降着が長く続くほど質量の大きい原始星に成長してゆくと仮定します。質量降着の止まった段階が全主系列星の誕生で、その質量はそれまでに降り積もった質量であるとします。ある質量降着率を仮定して、質量が増大しつつある原始星のモデルを計算すれば、原始星の質量に対して、その半径が得られます。その質量と半径の関係は全主系列星の誕生の時のHR上の位置、つまり誕生線を与えます

上の図の理論的モデルは降着率をとして得られたものです。1970年代以前は、全ての前主系列星は、内部全体が対流平衡となっている表面温度の低い状態(林フェーズ)から始まると考えられていましたが、質量の大きい星は表面温度の高い状態で誕生することが明らかになってきています。さらに、上の理論が正しいとすると、質量がよりも大きな星は、その中心で水素がヘリウムに変わる核融合反応が起こるまで、質量降着が止まりません。このような星は、前主系列星の段階が存在せず、主系列星として誕生します。

前主系列星は静水圧平衡を保ちながら、ケルビン・ヘルムホルツ時間スケールでゆっくりと(free-fall time)収縮(重力収縮)してゆきます。収縮によって解放された重力エネルギーの一部が星の内部の温度を上昇させるのに使われ、残りのエネルギーが星の光となります。前主系列の比較的質量が小さいものはTタウリ(T Tauri)型星として観測されます。また質量が比較的大きく、表面温度が高い天体はHerbig Ae, Be星と呼ばれます。これらの前主系列はclumpyな星周物質のaccretionなどによる、様々な時間スケールでの変光が観測されています。

2 thoughts on “[恒星物理学] 前主系列段階 (Pre-main-sequence stage)

  1. ケルビン・ヘルムホルツタイムスケールは重力収縮のタイムスケール(〜熱的タイムスケール)だからτ_g>>free-fall time??

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