[恒星物理学] ビリアル定理

重要な定理です。

静水圧平衡の式(*)の両辺にをかけて、星全体で積分すると

となります。左辺を部分積分して、境界条件として表面で、中心でであること、さらに球対称自己重力系での力学方程式(**)を使うと

…(1)

が得られます。

理想気体ではという関係があります。ここでおよびはそれぞれ定圧比熱と定積比熱を表しと定義されます。または単位質量あたりの内部エネルギーを表します。理想気体であるか否かに関わらず、圧力は運動量フラックスで表されるので、

と書くことができます。ここではガスの粒子密度、はガス粒子一個の質量、はガス粒子の熱運動速度を表します。上の式で表されるように、に比例する量ですので、一般に

…(2)

と表すことができます。ただしこのは一般には比熱比ではありません。(2)式を使うと(1)式は

と書くことができます。ここには恒星の中での平均の値を表すものとし、は恒星全体の内部エネルギーを表します。この式は恒星の静水圧平衡状態におけるビリアル定理

…(*)

を与えるものです。この定理は恒星全体の重力エネルギーと内部エネルギーとの関係を表しています。

恒星の全エネルギーの和ですから、

と表されます。この式はのときにのみ、となり、星のガスが束縛された状態にあることを示しています。単原子分子からなる理想気体の場合、なので、この条件を満たしています

放射が重要な場合、すなわち光子気体の場合と表されます(は輻射定数、は輻射エネルギー密度)ので、に相当します。これは星全体で輻射圧がガス圧に比べて優勢になってくると、の状態、すなわち束縛されない状態に近づいていくことを表しています。

 

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