[恒星物理学] 力学平衡、球対称の場合

恒星の自転および磁場(連星を恒星している場合は潮汐の効果も)無視すると、恒星内部の構造は球対称となります。この場合、基礎方程式は

…(1)

…(2)

…(3)

と書くことができます。ここで、は中心からの距離を表し、は動径方向の速度(中心からの距離が大きくなる方向が正)成分を表します。中心から半径の球の内部に含まれる質量

…(4)

を定義すると(3)式は積分できて、

…(#)

が得られます。したがって、球対称の場合の力学平衡を表す式は

の二本の式です。

球対称的(動径方向)にしか物質が動かない場合には、は物質に固定された値を持ち、ラグランジュ座標として使うことができます。球対称の場合は、オイラー座標を使うよりも、独立変数としてラグランジュ座標のを使う方が都合の良いことが多いです。座標から座標への変換は以下のようにできます。ある関数と考えて

…(5)

と書くことができます。は(4)式にを作用させて

…(6)

のようにかけます。ここでに(2)式を使いました。上の式は星の中心を中心とする半径の球の中に入っている質量の変化がその球面から出入りする質量流によって起こることを表しています。

また(4)式をで微分して

…(7)

が得られます。これらの関係を使って運動方程式をラグランジュ座標で書くことを考えましょう。(1)式は(5), (6), (7)式を使うと

とかけるので、運動方程式(1)式は

…(8)

となります。また(5)式の最初の式をに作用させると、であるから

…(9)

となります。ここで最後の関係には(6), (7)式を使いました。この関係はがラグランジュ座標であることに対応しています。これを(8)式に代入すると、球対称運動方程式は

…(*)

のようにも表せることがわかります。

次に質量保存の式(2)を座標で表すと

となります。[…]を展開して(9)式を使うと

となります。微分の順序を変えて変形すると

となり、で積分できる形になるので、積分を実行すると

がえらえrます。ここで積分定数は、中心近傍ででなくてはならないことからとなり、

…(**)

という関係が求められます。これは(7)式の分子と分母を入れ替えたものになっています。(*)式と(**)式が球対称の自己重力系の力学的振る舞いを表す微分方程式です。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Captcha loading...