[恒星大気の物理学] 熱運動の影響(Thermal Doppler Broadening): The Voigt Function

個々の粒子は熱運動しているため、観測される吸収線はドップラー効果によって少しずつ波長のずれた吸収線の重ね合わせとして観測されます。Maxwell分布をする粒子の視線速度がの範囲にある確率は

…(1)

で表されます。ここで

であり、Aは原子の質量数です。

観測される光の振動数がだったとすると、視線速度を持つ原子はの振動数の光として吸収するので、対応する吸収係数はです。色々な視線速度を持つ原子が存在するので、全体の原子による吸収係数は

…(2)

のように表されます。

(2)式に(1)式と量子力学的考察の(*)式を代入し

を定義すると、吸収係数を

のように表すことができます。ここで

で定義されるVoigt functionとして知られています。この式の導出にはという近似を使いました。

恒星大気ではであることから、で展開することができます。cos関数のLaplace変換が

となることを使うと、Voigt functionは

…(3)

のように変形されます。またGaussianのcos変換は

…(4)

と書けるので(3)式は

…(5)

のように変形されます。

としてテイラー展開を使うと、(5)式は

のように表されます。ここで

は(4)式を使って

が得られます。また

のように書くことができます。さらにGaussianのsin変換

を使うと

を得ます。ここで関数はDawson’s integralとして知られています。

の時、なので、Voigt funcitonは概念的には

のように表されます。吸収線の中心部ではDoppler core が優勢で、吸収線の端 line wingではdamping profile が優勢となります。

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