[恒星大気の物理学] 温度分布

恒星大気の温度分布は近似を使わない一般の場合のページから

で表されます。では有効温度よりも少しだけ低い一定温度になり、ほぼ等温の構造となります。

吸収線の存在によって、連続吸収係数に対するoptical depth が小さい層で光の流れが妨げられるので、の層の温度が下がり、逆に内部での温度が上がります。この効果をline-blanketing(吸収線毛布効果)と呼びます。

吸収線は特定の波長の光を吸収してエネルギーの流れを妨げるので、吸収線がたくさんある波長領域の流れを妨げ、比較的吸収線の少ない波長領域のエネルギーの放出を増加させます。

Line-blanketing効果が顕著な星のグループの一つにAp星(A peculiar star: A型特異星)です。Ap星の表面では Si, Mn, Cr, Eu, Srなどの元素の含有量が太陽表面の百倍から千倍にもなっている星で、それらの元素による紫外領域の吸収によって大きなline-blanketin効果が起こっています。Ap星は非常に強い磁場を持っているため、大気の乱流がない非常に静かな状態になっています。そのため、Si, Mn, Cr, Eu, Srなどの元素が星の内部から光を吸収することにより、外向きの力を受け、表面まで浮き上がってきたものと理解されています。Ap星の磁軸は自転軸と角度を持っています。そのため、星の時点に伴って磁軸の向きが変わってゆき、我々から磁軸が見えるときと見えないときとが存在します。このようなAp星は1自転周期の間に磁軸の見え方によって明るさが変わります。磁軸が我々の方向から見える時期には、波長の短い光は暗くなり、逆に比較的波長の長い領域では明るくなっています。

この現象は金属元素が磁軸の周りにたくさん集まっており、紫外領域の光の流れを妨げているために暗くなり、波長の長い領域はblanketing効果によってたくさんのエネルギーが流れ出ると説明することができます。

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