[恒星大気の物理学] 吸収・負の吸収

レーザーの仕組みがわかります。

Radiative transferの式で散乱を無視すると

この吸収・発光が2順位間の遷移のみで起こるものとすると、Einstein係数を用いて

のように書けます。上式から、に比例する項はstimulated emissionを考慮に入れた吸収係数

…(1)

とみなすことが出来ます(stimulated emissionは負の吸収と考えます)。途中でEinstein関係式を用いました。このときのsource function は、同様にEinstein関係を用いて

となります。(1)式は熱平衡のとき

となります。ここで、は熱平衡に置けるstimulated emissionが吸収係数に及ぼす効果を表しています。この式からわかるように、stimulated emissionの効果は温度が低いほど、そして振動数が小さいほど影響が大きくなります。

また熱平衡のときのsource functionは

となり、これはPlanck関数です。

恒星大気では、強い非熱平衡状態で、population inversion(存在率の逆転) が起こることがあります。このとき、(1)式よりinduced emissionの方が吸収よりも大きくなって、吸収係数が負となります。するとその領域を通過する光は吸収されるのではなく、強められて外部に出て行くことになります。この現象をmaser(microwave amplification by stimulated emission of radiation)やlaser(light amplification by stimulated emission of radiation)として知られています。

天文現象としてよく観測されるのはmaserの方です。これは低温でガスがある程度高密度な、古い星の周囲での脈動の証拠として観測されます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Captcha loading...