[恒星大気の物理学] Diffusion approximation

拡散近似。

大気の深い部分では光子の平均自由行程が温度や密度の変化するスケールに比べて非常に短くなります。そのため、放射が等方的で黒体放射に近くなります。すなわちより

となるので、source functionの取り扱いが非常に簡単になります。これを十分深い層 のまわりで展開して

となります。これを深さが無限大のplane-parallel atmosphereの, に代入します。

と置換して計算を行うと

今、を考えているので

よってと同じ形になることがわかります。よってintensityは

この式を用いて、mean intensity , flux , および

のように表されます。オーダーではなので、optical depthが大きい場所(大気の深いところ)では、上式の展開は急速に収束します。したがって、大気の十分深い場所では

のように近似できます。の式の第2項が非等方性を表しており、この項によって有限のFlux(放射流束)が生じます。よって大気の十分深いところでは、放射によるエネルギーフラックスはより

のように、放射のエネルギーがエネルギー密度の大きい層から小さい層へと拡散していくdiffusion equationの形に書かれます。この式から分かるように、拡散近似ではradiation fluxが全てlocalな物理量で表すことができるので、取り扱いが簡単になります。

エネルギーフラックスと放射のエネルギー密度に光速cをかけた量の比を取ってみましょう。恒星外層内のエネルギーフラックスは、エネルギーが全て放射で運ばれる時、光球を通過するエネルギーフラックスと同じなので、

となります。ここではStefan-Boltzman定数です。恒星内部ではなので、そこでは放射のエネルギーのわずかな分のエネルギーしか外側に向かって流れていないことがわかります。また、内部から外側に移動していき、光球に近くなるほど、内向きの放射が少なくなるので、フラックスは放射のエネルギーを光速で運ぶ場合の1/4に 近づいていきます。

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