[恒星物理学] 太陽の進化

ヘリウムが燃える時代へ

太陽程度の大きさの場合、中心部分の重力収縮が進み、中心部分の密度が大きくなると、今度は電子が極限の密度状態になる(電子の縮退に関しては割愛)。こうなると、中心部分の圧力は密度のみに依存するようになる。すなわち中心の温度はヘリウム中心核の質量によってのみ決まるようになり、その質量が0.5太陽質量となるとヘリウムの10^8Kを越えてトリプル・アルファ反応というものが起こり、炭素と酸素、そしてエネルギーが創出されるようになる。

しかし、先に説明した通り、いくら熱エネルギーが創出されても、電子の極限状態では中心部分の圧力は密度だけに依存して、温度には依存しない。つまり、トリプル・アルファ反応によって密度が下がるまで、ヘリウムの核反応が暴走することになる。これをヘリウム・フラッシュ(図の青色部分)と呼ぶ。ヘリウム・フラッシュによって異常な密度状態が解消されたあとは、先ほどの水素と同様の役割を今度はヘリウムが担う。ヘリウムによる核融合反応で、星の内部から熱エネルギーが供給されるようになる。すると中心部が膨張するため、その分、先ほどとは逆に外層は収縮し、星の表面温度は高くなる。その代わりに星のサイズは小さくなるので、明るさは小さくなる

 

その後…

ヘリウムが核融合を起こす結果、炭素と酸素が生成される。ここでもまた中心部分では電子が極限の密度状態になるが、それ以上は核融合反応は起こらない。中心に電子の縮退した炭素・酸素核、その外側にヘリウム燃焼殻、さらにその外にはヘリウム層、そのまた先には水素燃焼殻、そしてそこから外側の表面までは水素を多く含む対流層が出来ていると推察されている。先ほどと同様に中心部が燃えていないため、赤色超巨星になっている。これらをAGB(Asymtotic Giant Branch: 漸近巨星枝)星と呼ぶ。

ただし、この星は静かに燃え続けるわけではない。AGB星は表面が不安定で、絶えず脈動していると考えられている。さらにはヘリウム・フラッシュの部分で紹介した通り、ヘリウム燃焼殻が度々不安定となり、いきなり燃焼が暴走することがあるのだ。これをヘリウムシェルフラッシュ、もしくは熱パルスと呼ぶ。これも相まって、水素とヘリウムの外層が吹き飛んでしまうのである。外層が吹き飛ぶということは、中心部分が露わになるため、明るさはそのままに、我々から見た星の表面温度だけが熱く見えるように進化し始める。つまり水平方向に移動するのである。

 

惑星状星雲、そして白色矮星へ

宇宙空間にむき出しになった星の中心部分は温度がとても高い。その表面から出る強烈なエネルギーの光が、先ほど自ら吹き飛ばした外層を照らし、蛍光を発するエネルギーのもととなる。この蛍光によって光って見える星雲を惑星状星雲と呼ぶ。最後に残った、外層を失った星の中心部分は少しずつ冷えて行き、暗い白色矮星へと進化して、その生涯を終える

最後のページで総括を。

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