[恒星物理学] 太陽の進化

結局、太陽はどんな風になる?

宇宙に浮かぶ原子炉、太陽内部で起こる最初の核融合、水素の反応

太陽内部の温度はおよそ1.5×10^7Kとも言われており、ここでは水素燃焼が行われている(図の赤い部分)。水素原子核4個の質量が4.0312m_pに対して、ヘリウムは4.0026m_pである。この差がエネルギーとして放出されている。以下に太陽程度の質量で起こっている原子核反応の概要を示す。

この一連の反応をpp-chain(Proton-Proton chains)反応と呼ぶ。pp-chain反応の中で一番反応が遅いのは一番最初の、Proton-Proton反応である。この反応で生成された重水素はすぐにプロトンと反応してヘリウム3が生成される。
これが起こす反応には2種類ある。その一つはヘリウム3同士が融合して、普通のヘリウム原子核であるヘリウム4と2つの陽子を生成する反応である。これをpp-I chainと呼ぶ。
ヘリウム3が起こすもう一つの反応は、すでにあるヘリウム原子核ヘリウム4と融合して、ベリリウム7を生成する反応である。ここからさらに2つの反応に分かれる。
ベリリウム7が電子を捕獲する場合は、リチウム7ができる。それがさらに陽子と反応してヘリウム4が生成される。これをpp-II chainと呼ぶ。
一方でベリリウム7が陽子と反応する場合は、ホウ素8ができる。このホウ素8はすぐに崩壊を起こして、ベリリウム8となる。さらにこれは非常に不安定な原子核で瞬く間に2つのヘリウム4に崩壊する。これをpp-III chainとよぶ。注目していただきたいのは、どの反応でも最終的にヘリウムに進化していることである。

 

太陽中心から水素がなくなると…


水素(プロトン)がなくなり、完全にヘリウムになると、核融合は行われなくなる。これにより中心部からのエネルギー源がなくなり、中心部は重力収縮が起こり、重力エネルギーの解放が行われる(図の水色部分)。では全く核融合が行われていないかというとそうではない。ヘリウム中心核の外側で水素は核融合を行うようになり、これをハイドロゲン・シェル・バーニングと呼ぶ(図の赤い部分)。中心の少し外側ではシェル・バーニングによる熱源があるため、重力エネルギーの分は星の外層に貯蓄されることになる。よって外層は膨張し、結果として表面温度は下がる。表面温度が下がり星の見た目が赤色になる、かつ外層が膨張し星のサイズが大きくなり明るく見えることから、これを赤色巨星(Red Giant)と呼ぶ。内部は高温、表面は温度が急激に下がって低温になっているため、対流が卓越していると考えられている。

 

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